鋳造型を窯場まで移動しました。一部窯詰めしてみましたが、今回も3回に分けて鋳造をする必要があります。

鋳造型を窯場まで移動しました。一部窯詰めしてみましたが、今回も3回に分けて鋳造をする必要があります。

作業は最終仕上げ彫りに入りました。基本的には三角刀で毛並みとねじれを意識して彫り込んでいきます。
彫った部分とまだ彫ってない部分を見比べると大分見え方が違うと思います。最後は刻んだ彫り込みで埋め尽くされるので前段階の彫りが少し荒くても全部彫り込まれることで荒さは全くわからなくなります。そう言う意味では前段階での彫りは大体で良いんだと思います。

これで頭部の彫りは完成です。

口元、顎周囲。

首あたりの毛。

形がつながってくると寄木の境目もそんなに気にならなくなってきますね。最終的には彩色してしまうので寄木跡は気にしないです。

反対サイドの首までの彫り込み。

前足付け根の辺りを彫り込み前、後で見比べてみましょう。ちなみに毛の束の終わりのところの窪みはトリマーで抉り取って陰を落とす感じに表現しました。より立体的で良いかなと。

毛の束もうねりがありますが、毛の細かな彫り込み(繊維表現)もねじれていくように表現しました。より複雑に、より見応えのあるように。

この彫り込みをこのサイズの作品で全面を彫り込んで行ったわけですが、この仕事は結構楽しくできましたね。かなり時間がかかりました。

脚の彫り込み。

お腹の下は自分が入り込んで彫ります。上からパラパラ木屑が落ちてきます。

僕は細かい仕事が苦手で、繊細な作品は作らなかったですが、この規模の作品でこの細かさは繊細と言ってもいいかもと自分では思っています。
彫りの仕事はこれで終わりになります。
最後の一刀を入れ終えた時は「うおーっ!」って感じで、やったことはないですが、たぶんフルマラソンを走り切った時の感じに似た感覚だったと思います。
一通り量が付き切ったので、あとはどんどん削って形を出していくだけです。
今回はとんでもなく大きく、とんでもなく細かく彫刻をやり切る!と言うのが要点なのですが、細かく毛並みを彫り込む前に毛のまとまりのベースの彫刻をする必要があり、その前に筋肉のベースを彫っていく必要があります。細かく彫りながらベースの仕事をやっていくのは困難です。(調整はあり得ますが、根本的にした時の仕事を後回しにすると後々思い切った仕事ができず、ゆるーい形になってしまいますね。そう言う意味でもベースの彫り込みの段階で作品がかっこよくないとダメです)

↓筋肉っぽい?

頬の毛もベースを彫刻します。かなりつぎはぎすごいですね。苦戦した証です。

毛の束を彫り込んでいきます。


印象の流れを阻害しないように気をつけながら、でも思い切ってザクザク彫刻していきます。かなり感覚的。


動物とか今までつくらなかったので毛の感じとか思いつきなのですが、最終的には初めての割に結構上手く行ったかなと思いました。今くらいの仕事をしている時にはもう全体像は形になっているし、完成も見えてきてテンションが上がってきている段階ですね。ある意味一番楽しい時と言っても良いかもしれません。
まだ形になっていない時はこの先良くなるのか、本当にできるのか不安と理想に近づいていく期待が入り混じる変な感覚で仕事をしているのですが、ここでは期待100%って言う感じです。
時間がもったいなく思い、高圧洗浄機の到着を待たずに進めることにしました。
スポンジと柔らかいブラシで粘土を洗い流します。

髪の毛が複雑だったので大変でした。

洗浄終わり。

このままワックスを塗り込んでいきます。
型がしっかり水分を含んでいないと剥がれなくなるので今やってしまうが吉。
1層目は形が見やすいよう黒い顔料を混ぜたワックス。

1層目終わり。

2層目終わり。厚みは3~4mmです。

蓋を閉じて石膏とサイザルで固定しました。

石膏が固まったらワックスの合わせ目を内側から繋げます。
次回は中子づくりです。(型の中に鋳造用の型材を流し込んでいきます)
制作時間計42時間。
型を外します。まず切金の境目を平鑿で削って出していきます。

飲みを打ちつけた跡は型の合わせ目になります。

型を外す前に水をかけると石膏に水が浸透して外しやすくなります。

型の境目にヘラを捩じ込んで。

こじって型を外します。

今回は頭頂部から中の粘土を全部取り除きます。

心棒にぶつかってからが難しい。

全部取れました。



石膏で型を作っていきます。
まず切り金を指していくラインを墨で書いておきます。

型を切り分けるための切り金をさします。

1層目は少しシャバシャバの石膏で薄めに、詳しく表情を写し取っていきます。垂れてきた石膏がつららみたいになって作業しにくくなるので下の面から先にやっつけていきます。


1層目終了。


全体に盛り上げをして補強をし、終了。本来は針金で補強をすると壊す時に楽なんですが、今回は先に楽をしてサイザルを紐状にして貼り付けていきました。あんまり頑丈にしすぎると壊れなくなるので注意です。


次回は型外し。制作時間計35時間。