小川原隆太 彫刻制作記録(森共同アトリエ管理人日記)

森共同アトリエ利用者募集中 atoriemorikyodo@gmail.com

過去作品の振り返り10 木彫作品7 頭部の彫り込み

顔を彫り込んでいきました。結構一気に完成近くまでいきましたね。無造作な塊を残しながら一部からグイグイ彫り込んでいくのも面白いです。

空間的な座標さえ自信が持てるなら作品性が常に見える状態で進められるのが良いです。

以前から書いているように木彫の良さは単純につくるのに時間がかかることによってその中で作品も技術も深まるということです。

塑像の良いところを逆の視点で言えば早く進むことです。つまり完成のイメージに瞬間的に近づけることって言えるでしょうか。

以前は早いことによって作品も技術も深まる前に理想に近づいてしまって、その限界を超えるような展開に持っていけなかったことが塑像に見切りをつけた理由でしたが、今は木彫を経験し、その上でブロンズを扱うことで全く考えは変わりました。塑像であっても原型の段階での限界突破を試すことができるくらいにはなってきたと思います。

さらにブロンズになってからやれることが多いことも分かりました。

 

話が逸れてしまいましたが、結局のところ大事なことは作品を良くしていくというその一点に尽きます。

髪の毛も流れを意識して大らかに彫り込んでいきます。

量が足りない部分にはどんどん寄木して増やしていきます。

顔周りをあらかた彫り込んでから顔にかかる髪の毛をくっつけます。この部分を残しながら彫ることも出来なくはなかったですが、多分顔のクオリティが上がりきらないと思ったので別パーツとしました。

↑鼻の下の部分にパテを盛っていますね。

毎回思いますが、顔がいい感じに設定できると安心感がすごいです。

顔は作品の命みたいなものかもしれません。

 

過去作品の振り返り10 木彫作品7 荒取り荒彫り 顔まで

アトリエ内でどんどんいらない量を落としていきます。

多分この時にハイパワーのチッパーを導入して作業効率はガツンと上がりましたね。

大学で一瞬石彫を体験した時に使っていたであろうチッパーを真似して最初はやっていたんですが、もっといいのないかと探して見つけたわけです。

彫るスピードは別次元でした。木がバターみたいに削れていく感覚です。

顔も荒彫りしました。顔はもう位置や比率を変えることができないので、荒彫りの時はかなり気をつけるところです。

今回の作品は後からくっついてきる部分がとても多いので今まで以上にマケットは必須でした。後から増える部分も含めて全体像を確認して今の状態がいいのかどうか把握しながら進めていきます。

 

手をつくる

別パーツで手をつくります。

本体と重ね合わせてみた感じ。
ここまでのものは全て鏡面仕上げにするので、先に溶接してしまうと磨けなくなってしまうので鏡面にしてから溶接してくっつけて、溶接焼けしたところを再度鏡面磨きをする作戦でいきます。

 

過去作品の振り返り10 木彫作品7  材木の搬入から屋外での荒どりまで

大きい材木を扱うにはクレーンやフォークリフトが必須なのが難しいところですね。

前傾している形に合わせて材の底面を斜めにカットして全体が入るようにしました。

材に入れるデッサンは具体的な必要はなくて、比率や角度、シルエットの図形なんかがざっくり分かればいいです。どのみち荒どりで消えてしまうので丁寧に描いてもあまり意味はないです。

(精度の高い荒どりをする場合は完璧なデッサンを入れて、完璧にそのラインに沿って切り落としていくようですが、自分はそういう丁寧な仕事がとても苦手です。途中まではザクザク直感的に進めたいですね。形をつくることに対して制限がかかるのが嫌なんだと思います。その分エスキースからマケットまでをしっかりつくって参考になる要素を用意しておいています。)

チェーンソーを突っ込んでいって余白を切り落としていきます。材が太いので長いチェーンソーを使っているとはいえ両端から切り込みます。

(夜明けの呼び声っていう女性像をつくった時はこの時両端から切り込む角度をミスって大惨事になりましたね。)

一回ミスっているので注意して完璧にできました。

外で行う作業は開放感があっていいですね!

これで大きな荒どりは完了です。次は正面から見た時の余白を落としていきます。

いつも思うんですけど、こうやって自分の体を大きく動かしながらつくる段階が一番生き生きしていると思います。100%の完成度の中70%くらいまでかな。多分そのくらいの段階ですでに完成形が見えてきてしまうのと、進むペースが遅くなっていくので充実感が浅くなっていくのだと思います。

だから完成した時は嬉しいは嬉しいんですけど、その時にはもう次の作品に気持ちがいっているというわけですね。

そういう意味でも長期にわたる作品をつくる時は後半になると自然と遊びの作品を挟みたくなるのかもしれません。

過去作品の振り返り10 木彫作品7 マケットの制作

デッサンを元にマケットをつくります。今回もテラコッタにて制作しました。

写真は原型制作が終わって粘土の掻き出し作業をしているところです。

完全乾燥後窯詰め。

素焼きはあまり色に変化がないですね。白土が肌色っぽくなったくらいでしょうか。

この柔らかく、温かみのある質感を良さと取れるような作品だったらいいのですが、この時の自分には合わないと思いました。(今もそう)

全パーツを並べてみました。

組み立て仕上げ作業へ。

 

翼の取り付けは面を接着剤で付けるだけでは強度に不安があったので、両側の付け根の面に筋をえぐって丸く曲げた太い針金を仕込みました。

彩色して完成です。

ようやくここから木材の彫刻に入ります。イメージ→ドローイング→デッサン→マケットと具体化を重ねるごとに作品のビジョンが明確になっていきました。

この時はこの作品が木彫の最後の作品になるとは全く思っていませんでした。

早く作り始めたくてウズウズしている感じですね。