小川原隆太 彫刻制作記録(森共同アトリエ管理人日記)

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過去作品の振り返り10 木彫作品7 髪の荒彫りと左脚の寄木

髪の毛を仕上げ直前のレベルまで荒彫りをしました。

左脚(後ろに引いている方の脚)の量が足りないので寄木していきます。

寄木面を平らにする。

これが寄木材です。

こちらも面出しします。

仮に合わせてみました。ピタッといきましたね。

ボンドをたっぷり塗ってくっつけます。

自分はまだ湿っている木を彫るのが好きで、というのも湿った木は鑿痕のエッジがキリッとするんですよね。乾いていると少しボソッとします。

でも湿った木で気持ちよく完成させてもしばらくすると水分が抜けるのと共にどうしても割れが出てきます。なのでベストなのは完成してから数年後に割れを埋めて再度仕上げ直すべきなんですが、現状これまでの作品はやってないので割れが入ったままですね。

多分寄木のやり方(ダボを効果的に入れるとか)や、内ぐりをできるだけ薄く攻めるなどすればあまり割れは起きないのかもしれませんが、そこまでそこに力は入れませんでしたね。

今やっているブロンズは溶接で一体になるのでそういう心配はないです。そういう意味ではテラコッタの時もバラバラで焼成したものを組み立てる必要があったし、木彫は寄木の必要があったし、一つの作品が完全に一つの素材で繋ぎ目なくできている状態に憧れがありました。

スケールが小さめでも、テラコッタ…というより焼き締めでのセラミックであれば窯に入るサイズで一体にて完成させるとか、木彫であれば寄木なしの一木彫りとか魅力を感じます。

もちろん限界を決めずに自由に空間に形を広げていって最も理想的な形を目指すことは世界を広げるのですが、一つの素材で一体で完成している作品にはまた別の良さ(原初の美)みたいなものがあるように思います。

頭部 (髪の毛含む)のつくり込み1週目

上から順に仕上げていきます。水分を飛ばしながら粘土の状態を硬くしていかないと形が詰めていけないです。強い形の抵抗感を生み出すためには強く押し込むようにつくっていく必要があります。

なのである程度形になってきていよいよつくり込むぞという段階になったら作品を養生する時にも濡れシーツはかけず、むしろ制作中も霧吹きもかけません。

実際硬ければ硬いほど強い抵抗感の表現ができますが、硬すぎると型取りの時に厄介になるので適度にですけどね。

現状まだ仕上げは1週目で、全体に進めてからもう1週くらいやるのでもう少し水分を飛ばしながら硬くなっていきます。

テラコッタをやっていた時ももちろん焼成後にやすりをかけて完成度の底上げをしていましたが、ブロンズをやっている今思えば素焼きは柔らかいので本当の意味で詰め切れてはいなかったですね。

ブロンズは徹底して仕上げていけばものすごい緊張感が出せるなと思っています。

これに関してはテラコッタでも木彫でも出せない質なのだと思います。

過去作品の振り返り10 木彫作品7 頭部の内ぐり

頭部の内グリをしていきます。内グリが済んでしまえばあとは思う存分彫っていくだけなので気が楽ですね。

内グリはこんな感じで割と大胆な仕事のように見えて特に難しい場面もなく、緊張感のあるようなものではないので淡々と進めます。

太いドリルで穴をたくさん空けて崩していきます。

厚みを確認しながら薄くしていき、目と口を貫通させます。

強いて言えばこの時、瞼の厚みや唇への形のつながりに関しては慎重に進めています。

後頭部側も削る。

蓋を合わせてみました。この感じです。目と口に深淵を感じます。この虚無感、空洞感がいいんですよね。

ガッチリ接着します。

髪の毛も全部量がつき切っていますね。

自分の作品は顔が一番大事だと書きました。この後の仕事量を考えたらまだ序盤も序盤なのですが、気持ち的にはもう7割くらい仕上がっている気分です。

この高揚感をもってこの後の仕事を続けていけることが大事です。

 

過去作品の振り返り10 木彫作品7 頭部の彫り込み

顔を彫り込んでいきました。結構一気に完成近くまでいきましたね。無造作な塊を残しながら一部からグイグイ彫り込んでいくのも面白いです。

空間的な座標さえ自信が持てるなら作品性が常に見える状態で進められるのが良いです。

以前から書いているように木彫の良さは単純につくるのに時間がかかることによってその中で作品も技術も深まるということです。

塑像の良いところを逆の視点で言えば早く進むことです。つまり完成のイメージに瞬間的に近づけることって言えるでしょうか。

以前は早いことによって作品も技術も深まる前に理想に近づいてしまって、その限界を超えるような展開に持っていけなかったことが塑像に見切りをつけた理由でしたが、今は木彫を経験し、その上でブロンズを扱うことで全く考えは変わりました。塑像であっても原型の段階での限界突破を試すことができるくらいにはなってきたと思います。

さらにブロンズになってからやれることが多いことも分かりました。

 

話が逸れてしまいましたが、結局のところ大事なことは作品を良くしていくというその一点に尽きます。

髪の毛も流れを意識して大らかに彫り込んでいきます。

量が足りない部分にはどんどん寄木して増やしていきます。

顔周りをあらかた彫り込んでから顔にかかる髪の毛をくっつけます。この部分を残しながら彫ることも出来なくはなかったですが、多分顔のクオリティが上がりきらないと思ったので別パーツとしました。

↑鼻の下の部分にパテを盛っていますね。

毎回思いますが、顔がいい感じに設定できると安心感がすごいです。

顔は作品の命みたいなものかもしれません。

 

過去作品の振り返り10 木彫作品7 荒取り荒彫り 顔まで

アトリエ内でどんどんいらない量を落としていきます。

多分この時にハイパワーのチッパーを導入して作業効率はガツンと上がりましたね。

大学で一瞬石彫を体験した時に使っていたであろうチッパーを真似して最初はやっていたんですが、もっといいのないかと探して見つけたわけです。

彫るスピードは別次元でした。木がバターみたいに削れていく感覚です。

顔も荒彫りしました。顔はもう位置や比率を変えることができないので、荒彫りの時はかなり気をつけるところです。

今回の作品は後からくっついてきる部分がとても多いので今まで以上にマケットは必須でした。後から増える部分も含めて全体像を確認して今の状態がいいのかどうか把握しながら進めていきます。

 

手をつくる

別パーツで手をつくります。

本体と重ね合わせてみた感じ。
ここまでのものは全て鏡面仕上げにするので、先に溶接してしまうと磨けなくなってしまうので鏡面にしてから溶接してくっつけて、溶接焼けしたところを再度鏡面磨きをする作戦でいきます。