小川原隆太 彫刻制作記録(森共同アトリエ管理人日記)

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彫刻雑観 〜制作に対しての考え方の変遷〜

side work 1

無題 テラコッタ 焼成後 具体的な形はつくり込まずに気配を形にしていく感じで表現してみました。 自分の作品観は、形が明確なイメージと明確でないイメージがあります。明確な場合でも表現しているのは「形」というより「空間」なのですが、形が明確でない…

過去作品の振り返り 6 木彫作品3 完成

innocence H180cm×W450cm×D70cm 楠 1年がかりの作品です。そういえば塑像ラストの作品。lifeも1年がかりでした。 さて、今回の作品で明確になった彫刻の視点ですが、それはマケット作品と実際の完成作品を見比べると分かります。 ↓マケット 木彫の完成作品…

過去作品の振り返り 6 木彫作品3 彩色

形が完成したあたりで作品と一緒に記念撮影したのが残ってました。 他の作品では作品と一緒に写真撮るとかはしてないんですが、この作品はしてる。 それだけ達成感がすごかったんだと思います。 ↓この写真は最終仕上げ彫りをする前の時のですね。 ↓前脚(左…

過去作品の振り返り 6 木彫作品3 仕上げの彫り込み

作業は最終仕上げ彫りに入りました。基本的には三角刀で毛並みとねじれを意識して彫り込んでいきます。 彫った部分とまだ彫ってない部分を見比べると大分見え方が違うと思います。最後は刻んだ彫り込みで埋め尽くされるので前段階の彫りが少し荒くても全部彫…

過去作品の振り返り 6 木彫作品3 荒彫り

一通り量が付き切ったので、あとはどんどん削って形を出していくだけです。 今回はとんでもなく大きく、とんでもなく細かく彫刻をやり切る!と言うのが要点なのですが、細かく毛並みを彫り込む前に毛のまとまりのベースの彫刻をする必要があり、その前に筋肉…

過去作品の振り返り 6 木彫作品3 脚の寄木

胴体が一区切りしたので脚の寄木をしていきます。 まずダンボールを胴体につけてチョークでデッサン。加えてPCで補助的にデッサンを行い、精度を高めました。そうしたやり取りを挟んでサイズや形を決めます。 ダンボールを切り抜いて木材に転写、カットしま…

過去作品の振り返り 6 木彫作品3 内ぐり

頭部から順番に内側を空洞にしていきます。基本的にはドリルで蜂の巣のように穴を開けていき、残った部分をチェーンソーで崩していくみたいな感じで進めていきます。 極太のロングドリルを使うのですが、深く刺さっていくためにはドリルに高いトルクが必要に…

過去作品の振り返り 6 木彫作品3  荒どり開始

前もって木材は買い付けに行っており、すでに表には運ばれていました。 今回の作品は巨大です。脚一本で丸太一本使ってしまいます。丸太一本で10万くらいだったので4本で・・・。さらに胴体は極太ロングの材を使ったので値段も・・・ゴクリ・・・。 とま…

過去作品の振り返り 6 木彫作品3 マケット

前回の作品でいいものができなかったので、今回の制作では振り切った作品にしたいと思い、規模を大きく、密度も高いものになるよう考えました。ものすごく大きく、ものすごく細かく。そのようなイメージです。 自分はこれまで人物ばかりをつくってきたので、…

過去作品の振り返り 5 木彫作品2 完成

talk to her H165×W60×D×70cm 楠 木彫作品2作目ということで注意すべき点が分かっていたので今回は1回もミスなく完成することができました。(寄木やパテの修正は無しでした。) しかし結果は全然満足できずです。 なんか物足りない、というか、達成感がな…

過去作品の振り返り 5 木彫作品2 完成に向けて

腕を彫っていきます。粘土で制作していた頃よりも手が面的、また構造的に整理された形であると理解が深まりました。 指を彫る前に面の流れをつくっておきます。 うーん。今見るとこの頃の形の判断はかなり甘いですね。ゆるゆるな感じです。つくるのが早すぎ…

過去作品の振り返り 5 木彫作品2 体の荒彫り

頭部は大体印象が落ち着いたので体の荒彫りに入ります。 正面の面を設定してから奥行きになる斜めの面、側面をどんどん削っていきます。(服のひだの厚み分多く残しています) 大体ベースが作れたら服のひだのデッサンを入れます。 ひだは後でずらせないので…

過去作品の振り返り 5 木彫作品2 頭部荒彫り

頭部の荒彫りをしていきます。 顔面の位置を決めるということはそれ以外の形(体)との位置関係を決めるということでもあります。彫り込んだ顔に合わせて体を彫っていった時に量が足りないとか、ズレてしまったとかがないようにしないといけません。 顔は一…

過去作品の振り返り 5 木彫作品2 荒どり

今回は紙粘土で簡単にマケットを制作して制作を始めました。 まずは木材をの底面を平らにし、いい長さにカットしました。 木材を立ててアトリエに搬入します。 チョークで横シルエットをざっくり描いていきます。 いらない部分をカット。 作品を制作する中で…

過去作品の振り返り 5 木彫作品2 イメージスケッチ

四苦八苦しながらも木彫の作品を一つ完成させ、流れに乗って2作目に入ります。 2作目は少女像。 メモ帳に描いたスケッチ。 少しブラッシュアップ。 ポーズは変えてしまいましたね。 実はこの作品を制作していた時期はちょうど東日本大震災の時でした。その…

過去作品の振り返り 4 初めての木彫 完成

アクリルガッシュで彩色して完成です。 「lasthing night」 H190cm 永続する夜 という作品です。 実は前作「life」の一番右側にいた人をモデルにしました。(実在する人ではないです) 初めての木彫作品。 この作品で得た教訓は、「理想だけ持っていれば良い…

過去作品の振り返り 4 初めての木彫 仕上げ

荒っぽい仕事はほとんど終わって仕事は最終的な段階に入りました。ここまで来ると木槌はほとんど使わず、鑿を使う場合も手で押し込んだり、手のひらで打ち込むような感じで、ほとんどが彫刻刀で進めます。 頭部も印象に緊張感を持たせるよう意識します。髭や…

過去作品の振り返り 4 初めての木彫 荒取り編 2

ヘルニアの手術を乗り越えてしばらく離れていた制作を再開しました。 少しでも重いものを持つことに恐怖を抱くようになり、ちょっとでもヤバいかもと思ったものはフォークリフトで上げるようにしました。 レントゲンを撮った時に、問題の箇所以外にもややヘ…

過去作品の振り返り 4 初めての木彫 荒取り編

ずっと続けてきた塑像を卒業して心新たに木彫で作品を制作することに心躍らせていました。 とりあえず何も分からず、何も持ってないところからのスタートです。楠は小田原に買い付けに行きました。 アトリエに運び入れて、マケットを参考に材にチョークでデ…

型を壊す

ワックス原型の外の型を崩していきます。 無事ワックスで形を置き換えることができました。 ここからはワックス原型の修正です。 粘土のように可塑性のあるワックスを作っていきます。 使うのはこちら蜜蝋と、 松脂です。 柔らかい蜜蝋にカチカチの松脂を混…

ワックス原型の制作開始

今日からワックス原型制作に入ります。 まず形を水に沈めます。石膏が目一杯水を含んだ状態にして溶けたワックスを塗っていく時貼り付かないようにします。型が乾いた状態でワックスを塗ると型にワックスが食い込んでしまい、外れなくなってしまいます。 乾…

過去作品の振り返り 4  木彫編 初めての木彫作品 マケット制作

塑像作品に関して、修了制作で「作品をつくる事とはどういうことなのか」が少し分かるようになって以来この数点の作品で良いものがつくれるようになってきた実感を得ることが出来ました。 同時に今までやったことない制作に取り組むことで成長のスピードを上…

過去作品の振り返り 3  完成編

life 荒削りではありますが、当時の自分の全てを出し切った作品です。 この作品を完成させた時、「塑像」をやり切った感でいっぱいでした。同時に新たな体験を求める気持ちが溢れていました。 自分の中では一通り塑像でできることは網羅できたかなという感じ…

過去作品の振り返り 3  塑像ラスト作品 型取り終了 型壊しと作品修正仕上げ編

雄型の張り込み作業が終わって窓閉めも完了し、いよいよ雌型を壊して作品を取り出していきます。作品とはしばらくぶりの再会となります。 ハンマーでバカスカ叩いてどんどん形を出していきます。このくらいのサイズになるとチマチマ丁寧に進めるよりも多少作…

過去作品の振り返り 3  塑像ラスト作品 型取り雄型編1

離型剤を雌型の内側に塗布し終わり、次は雌型の内側に石膏の1層目をかけていきます。この作品は最終的に積極的に石膏を盛ったり削ったりしてかたちを作っていきたかったので、作品の表面になる部分は2層(少し厚め)にしました。 その後石膏に浸したサイザ…

過去作品の振り返り 3  塑像ラスト作品 型取り雌型編 2

外側の型が全部完成したので型を外していきながら中の粘土や心棒を解体し、型だけの状態にしていきます。作品真ん中は人物が3列になっているので、奥の人物の粘土を掻き出すために、最前列の人物の足のところは全部外してしまう必要がありました。 ちょっと…

過去作品の振り返り 3  塑像ラスト作品 原型編 それぞれの顔

画質が悪く、ガビガビですが、10人それぞれの顔はこのような感じです。 自分は基本モデルを使わないのですが、当時リチャードアヴェドンという写真作家が好きで、ポートレート写真集を見て参考にしているところはありました。 この写真集のレビューに、「…

過去作品の振り返り 3  塑像ラスト作品 原型編

テラコッタでの制作に見切りをつけて、石膏でものすごいスケールの作品をつくることに挑戦しました。 まずはデッサンから。コンテで描きました。ちょっと暗いイメージ。群像を制作します。 以下、経過写真は適当に扱っていたので小さく粗い画像しか残ってな…

テラコッタ作品に限界を感じた時に考えていたこと3

テラコッタでの制作に感じた違和感3つ目です。それは、 「焼成後の組み立て仕上げ作業が作品に嘘をついているように感じてしまう」 ということです。 どういうことかというと、大型のテラコッタ作品はそのままでは窯に入らないし、たとえ入ったとしても大き…

テラコッタ作品に限界を感じた時に考えていたこと2

テラコッタでの作品制作に限界を感じていた理由2つ目は 「型取りをして作品を形に起こすことに対して偽物をつくっているような違和感を感じてしまった」 ことです。 原型の時点で「最高の状態」で一度完成させたものを、型取り作業を経てもう一度元の形に戻…