作業は髪の毛に戻ります。

流れるような表現についてはこの作品から特に意識するようになりました。
三次元的に曲線、曲面での形が美しく成立するように、さまざまな角度から確認を重ねて彫り進めます。流れの重なりに無駄な部分や辻褄のおかしい部分が出来ないよう気をつけます。曲線の始まりから終わりまで、どこを切り取っても美しい状態を目指します。


背面も同様に。

最初は空圧のみで大雑把に。


後半は手作業で完全な形を目指して。



自分の作品は人物彫刻ですが、人体のリアリティーよりも空間構成的な部分に重きを置いて制作していると以前書きましたが、具体的にどういう事かと言うと、一言で言えば色々な方向に形が突き出すような形ということです。
この作品はこれから腕や衣の先を寄木してつくっていきますが、元々の丸太の形を想像できないくらい自由に広がっていく構成になる予定です。
一木彫りには木という自然が生み出した素材への賛美の意識を少なからず孕んでいるように感じますが、自分の場合はそのような観点よりも空間的な魅力の方に振り切っていました。
ずっと塑像を続けてきたので、木彫の空間表現の可能性に感動しつつ、そっちの方向性での表現を加速させていった訳です。(塑像は石膏やテラコッタなどの素材に置き換えたとき、基本的には細いとか薄い表現は強度的に厳しい。木はかなり薄い表現や細い表現が可能。前作もそうだがこのようなバランスで小さな接地面で立たせるとかも全然いける)