小川原隆太 彫刻制作記録(森共同アトリエ管理人日記)

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過去作品の振り返り8 木彫作品5 脚の荒彫り

作業は足に移っていきます。最初に土台の厚みの設定から始めました。

その後足周辺を荒彫っていきます。

引いている脚に奥行きをつけました。

厚みや奥行き、軸や面の関係性など作品の構成的要素を強く意識して制作しているので、まだ表面的に具体性がなくてもざっくりとした形の展開が緊張感を持ち、構造としての価値を持ち始めるくらいの仕事の段階はとても気分がアガリます。

それまで無意味だった形(むしろ何もせず、丸太の状態のままであれば自然物としての価値があったが、中途半端に彫り始めたもののまだ構成に価値が生まれていない状態)にどんどん意味が込められていく感覚がありますね。

価値の話で言えば荒彫り〜中彫りくらいでその作品の魅力の限界値の80%くらいは出せていると思います。そういう意味で緻密な完成度というものは自分にとって飾りみたいなものかもしれません。(とは言っても中彫りまででは不完全であることには変わりないです。80%と100%の価値の違いもまた明らかなのです)

自分は彫刻は新しい価値を創造する事と意識して制作しているのですが、同じ素材であっても与えられる価値の大きさはその時の自分自身の人間的(精神的)厚みと経験値でしかありません。そう考えるとやはり人間の寿命って短すぎですね。

もし500年生きて彫刻が出来たなら、どんな作品を生み出すことが出来るでしょうか。

500年続けた人間からしたら現代の人間の作品なんて子供の作品のように感じるかもしれません。

それでもミケランジェロやヴェルニー二のような巨人の作品が負けるイメージはないです。もはや彼らの彫刻も、それを制作した彼ら自身も神話のような存在だと思います。