小川原隆太 彫刻制作記録(森共同アトリエ管理人日記)

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過去作品の振り返り7 木彫作品4 エスキース 材木の搬入

前作innocenceを境に作品観は大分変わっていきました。

今までは一つの彫刻で1つの作品としてきましたが、この時から「連作」的なものを意識するようになりました。

新章1作目の作品は3連作。「眠り」→「目覚め」→「運命」とテーマを変遷しながら3つで1つの表現を試みます。

まずは「眠り」から。

イメージドローイング

眠りに落ちて後ろに倒れていく男です。

ドローイングを元にマケットを制作します。

マケットはテラコッタにしましたが、最初から粘土の種類を部位によって変えてつくりました。黒い部分は黒泥、白いところは白土ですね。

この段階はまだ原型が完成したところで、この後粘土の掻き出し、乾燥、焼成、組み立て、仕上げ、彩色までを行いました。

丸太をアトリエに搬入し、チョークでデッサンを入れました。丸太の裏にチラッと見えますが、エアーキャップと針金で簡易的なマネキンを作ってコートを着せて形の参考にしていますね。この作品まではそういうこともしてました。

ここから荒どりです。当時飼っていた猫のまるが登場してます。

意味のある作品と言えるのはこの作品からだと思っています。後になって振り返ってみれば今までの作品は突き詰めて言えば何となくつくっていたなという感じです。

 

塑像を続けてきたこと、木彫に転向したこと、どちらも自信をつけることが出来たこと。全てが今後の作品に良い影響を与えていったと思います。

それは技術的な事も大事であるのですが、それ以上に作品観がより明確になった事に価値がありました。

自分の場合、作品をつくる時に最も大事なことは、「その作品が訴えていることが自分の中心にどれだけ近いか」なのですが、これまでより芯を食った作品になっている実感が持てるようになったということです。

結局色々と経験を重ねて自分自身が人間として成長したということなんだと思います。

日々やっていることが即成長につながったらそれはすごい事ですが、そんなことはなかなかなくて(特に美術は)経験したことはすぐに積み重なることはなく、自分の周りに散らばっていきます。一見無駄なことをしているようですが、何かをきっかけにして貯まった経験値が一気に積み重なって上がっていく瞬間があります。その時に経験値が少ないと積み上げられるものが少なくなってしまいます。

その時のために、いろいろな経験を集めておくのは大事だと思っています。