小川原隆太 彫刻制作記録(森共同アトリエ管理人日記)

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過去作品の振り返り 6 木彫作品3 内ぐり

頭部から順番に内側を空洞にしていきます。基本的にはドリルで蜂の巣のように穴を開けていき、残った部分をチェーンソーで崩していくみたいな感じで進めていきます。

極太のロングドリルを使うのですが、深く刺さっていくためにはドリルに高いトルクが必要になります。ドリルの先端はネジになっていて、回転に応じてグイグイ進んでいくようになっています。なので当然ドリルは正転逆転を切り替えられるものでないと抜けなくなってしまうので注意です。

内側は見えないので表面を整えたいはしないです。

目の部分。

頭部の空洞と繋げて穴になりました。

舌、上顎の下面などつくり、こちらも奥の空洞につなげます。

内ぐりするために切り取った部分に寄木をして彫りなおします。

一通りできましたね。

次は肩甲骨あたりから内ぐりしていきます。

頭部の空洞とつながり、目の穴が怪しく光ります。喉の部分は見えないですが、実は内側から寄木をして喉の奥までつくってあります。なので完成状態は実際内ぐりとは繋がってはいません。(覗き込んだ時に中の荒さが見えると嫌なのでこうしました)

肩甲骨部分の内ぐり完成。

次に胴体を空洞にします。フォークで横倒しに。

どちらにせよ量が足りないので後で寄木することになるので先に平面出ししておきます。

お腹部分を空洞に。

この部分はとても奥行きが長く、市販されているドリルでは届かなかったのでドリルに鉄パイプを溶接して延長し、超ロングドリルを作って対処しました。

内ぐりはこれで完了です。

これはお腹につける寄木材。こちらも先に内ぐりしておきます。

フォークで吊って合わせます。

ダボとボンドで接着。あとは自重でピッタリくっついてくれるのでそのまま放っておきます。

胴体をものにするのも一苦労ですね。上手くいく道筋を常に考えながら進めていきます。とはいえ量さえ足りていればどうにでもなるので一番気をつけていることといえば完成作品をイメージした時に足りないところがないか(ちゃんと木材の中に形が埋まっているかどうか)ということに尽きます。

ほんのちょっと量が足りない!というのが一番困る事態で、薄ーい材を寄木すると乾燥による木の反りでダサい感じで剥がれてきます。なのでそうなったら思い切って大きく量を落として大きく寄木するか、本当にちょっとの量(片手で握れるぐらいのパテの量で直せるくらい)だったらエポキシパテを盛ってしまいます。

自分は生乾きの丸太を使うのが好きなのですが(粘り強くシャープな彫りが可能)そのせいか内ぐりをしても結局後で割れが出ます。なので本当に仕上げたかったら完成後完全に乾燥してから割れを修正し、彩色しなおす必要がありますね。

最初から乾いた材を使っていたら違うと思います。

でも結局多湿な日本に作品がある以上空気の湿度に依存するので、作品がまるで呼吸をするように水分を吸って吐いてを繰り返し、結局少し動くんだろうなって思います。

そういう意味で今やっているブロンズって環境に影響を受けないし丈夫なのでより普遍性を実感できて安心できます。