小川原隆太 彫刻制作記録(森共同アトリエ管理人日記)

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過去作品の振り返り 3  塑像ラスト作品 原型編

テラコッタでの制作に見切りをつけて、石膏でものすごいスケールの作品をつくることに挑戦しました。

まずはデッサンから。コンテで描きました。ちょっと暗いイメージ。群像を制作します。

以下、経過写真は適当に扱っていたので小さく粗い画像しか残ってなくて、すみません。

心棒の制作。下の台座は9cm角の角材を何本も並べて寄木し、バーナーで焼いて表面を炭化させて作りました。厚手のビニールを敷いてこの上で塑像をし、この上で石膏取りをし、この上にそのまま完成作品が置かれる流れです。(最初から完成用の台座の上で原型制作をしました)

人体用アングル1つから3人の心棒に分岐させ、全部で10人いるので足りない1人分は4つ目のアングルで心棒を制作しました。

1体ずつつくって合体させるのではなく、一気に10人塊で制作します。

最初はもっと塊っぽい感じ→透明なエレベーターにギュウギュウ詰めの人達を作る。みたいなのを考えていたのですが、結局こうなりました。

どんどん粘土をつけていきます。長い期間をかけて作ることを想定していたので結構ベチャベチャの粘土をつけています。

基本台座の上に乗ってつくるのですが、奥の方の人は手を伸ばして作ることになります。結構大変。

時々粘土が崩壊することも。。不屈の精神で再起を図る。

髪の毛の造形はまだ様式的でした。まだ形の引き出しを多く持っていない頃でしたね。

手はこのように形に埋まってるような造形の部分と、

このように独立した部分があります。

人と人の間はドロドロ溶けて融合しています。

10人目の人はアングル単体でつくりましたが、位置的にアングルを台座に固定できなかったので台の外にずらして固定しました。

毎回制作後に乾燥を防ぐために養生をするのですがこれがまた大変でした。

原型塑像はこれで完成。

粘土は3t弱使ったと思います。多分あまりこんなサイズの塑像やる人はいないと思います。今の自分だったらやらないですね。

若いパワーはすごいです。

あらゆることが未熟であっても、持てる限りの力を使って向かっていく姿勢は素晴らしかったと思います。こういう経験を多く積めたことは今の自分の制作に多大な影響をもたらしています。当時の自分に感謝ですね。

 

美術に限らずどの分野でも同じだと思いますが、「未知の領域に関してはその人にとって無いものと同じである」という実感があります。

彫刻をやっている中で感じていることで言えば、まず数をこなすことで上手くなるかでいうと、実はそうでも無いと思っています。

数をこなすことで「慣れる」という事はあると思いますが、新しい形や表現を発見したり、作品性の深化に寄与することはほとんど無いと思います。

すでに自分が理解している範疇のことを何度繰り返しても何かが大きく変わることは無いと思います。

大事なことは自分の知らない領域に果敢に手を伸ばし続けること(自分に高い負荷をかけ続けること)です。むしろ自分にとってはこれが楽しくてしょうがないわけです。これが制作する上での最強のエンジンになっています。

常に自分史上最高のレベルを更新していく感覚ですね。これを絶やさぬ意識でこれまで取り組んできました。