小川原隆太 彫刻制作記録(森共同アトリエ管理人日記)

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昔の記憶から 振り返り14  大学2年 

2年生に進級しましたが、最後の素材実習。金属実習から始まります。

切断、溶接、切削研磨の技術を学びます。まずはL字アングルで立方体を作るところから。その後自由制作。

この時被覆アーク溶接の溶接棒の種類の違いによって溶け込み方と仕上がりの美しさが全然違うことに気づいて、それはずっと役立っています。(僕はそんなに本格的に溶接は使わないので溶け込みは浅くて綺麗に仕上がるのを使ってます)

この時の自由制作では結構大きな作品を作りました。3本ローラーという鉄板を曲げる機械で、確か身長くらいの板を2枚。曲げ加工し、お互いを溶接して筒を作りました。

その筒を塩酸で酸洗し、緑色っぽく反応させた後に中和して反応を止めて、筒に被覆アーク溶接でビード(溶接痕)を残しながら大小の円を描き込んでいき、縁の内側を鏡面に仕上げ、部分的にくり抜いていきました。

自分的には色々工夫した感はありました。。

 

最後の実習後はその後は素材を選択し、自由制作となるのですが、僕はやはり塑像以外に反応できなかったのもあり、得意分野である塑像を選択しました。(テラコッタでの作品制作)

この期間ではモデルさん無し、イメージのみで人物像を制作しました。

静かな空間を意識した形。女性はテラコッタ。男性はFRPで制作しました。

2つで1つの作品。人体としてのリアリティを追求しながらもよりイメージに沿ったデフォルメを試みています。

この時、やっぱり自分にとっては人物(さらに塑像であること)をきっかけに考えを広げていくのが合っているかなと思いました。

これまでの作品は基本行き当たりばったりでその時々でめちゃ考えはするんですが、特に訴えたいこともなく、どう工夫するかくらいしか無かったと思います。

人物であれば、作品を取り巻く「空間」をテーマに考えていけるように思ったのです。


その後はモデル塑像の課題が入りました。

実際のポーズは全然違うのですが、自分なりに静寂のテーマでポーズも含めて制作してみることにしました。

型取りし、中に鉄筋を組みながらモルタルを流し込んで行きました。一気に流すと型が決壊してしまうので15cmくらいずつ流しています。なのでなんとなく縞々が見えます。型を割り出す時部分的に表面が崩れてその偶然できた質感も魅力があると思いました。

この作品を制作している時、塑像段階では作品が乾燥しないように制作を終えるときに濡れたシーツを巻き、その上からビニール袋をかけて養生するのですが、その形が面白いと思い、「この作品を養生した形」を塑像し、同じくモルタルで形にしました。

棺のようなイメージです。

2年生の時の制作はこんな感じだったと思います。

彫刻について空っぽだった自分に少しだけ方向性が見えたような気がした1年でした。

 

春休みに入る前、大学に作品制作の依頼が来ました。2週間で松尾芭蕉の全身立像を作ってほしいというものでした。

屋外に設置するので素材はFRP。ブロンズっぽい仕上がり希望。とのこと。

バイト代が良かったので僕が引き受けました。

もちろん写真なんてないので日本画になっている肖像を見て服装なども再現しました。

ギリ間に合った。

次回は3年生の話です。

やっぱりこのままじゃダメだ!と迷いに迷い、制作に制作を重ねた1年間。模索の末に見えたものは何か。です。